講演番号43 シリーズ福永晋三と往く新説日本書紀11
神武天皇紀編纂の意図、すなわち日本書紀のイデオロギー(思想傾向)を説明した回。饒速日尊の建国した倭奴国(天神王朝)を神武(実は天孫系)が正当に継承したとのプロパガンダ(宣伝)が表われているとした。試みに物部氏の系譜をまとめ、天皇家の系譜と並べた。2代綏靖天皇が物部氏の母と神武天皇の間の子であり、彼が東征を戦い抜いて即位した二代手研耳命大王(山鹿の吾平津姫が母)を暗殺した。その結果、神武天皇の統一は早くも崩れ、後漢書に云う倭国大乱に繋がった。併せて、神武の即位から手研耳命の暗殺に至るまでの年代を、干支の暦(日本書紀の儀鳳暦)を調査し、再逆算して日本古代史の実年代を算出したことを始めて説明した。
福永晋三